2013.05.20

【開催報告】滋賀シンポジウム「足るを知る日本の成長」


フランスの経済哲学者セルジュ・ラトゥーシュ氏をお招きし、日本人の社会と経済に関わる新たな戦略転換を求めて対話するシンポジウムを開催しました。主な内容はこちらの報告をご覧ください。

 

日 時:2013年5月18日(土)13:30-17:00
場 所:コラボしが21 大会議室(滋賀県大津市)
登壇者:セルジュ・ラトゥーシュ(経済学者・哲学者)、山折哲雄(宗教学者)
    月尾嘉男(東京大学名誉教授)、仁連孝昭(アスクネイチャー・ジャパン理事長)
    大道良夫(アスクネイチャー・ジャパン副理事長)
参加者:152名

主 催:アスクネイチャー・ジャパン
共 催:日仏会館フランス事務所、アンスティチュ・フランセ、在日フランス大使館
    滋賀経済団体連合会(滋賀県商工会議所連合会・滋賀県商工会連合会・
    滋賀県中小企業団体中央会・滋賀経済同友会・一般社団法人滋賀経済産業協会・
    公益社団法人びわこビジターズビューロー)
    公益社団法人日本青年会議所近畿地区滋賀ブロック協議会

プログラム

13:00    開場

13:30-13:40 開会挨拶
13:40-14:40 基調講演 セルジュ・ラトゥーシュ(経済学者・哲学者)
14:40-14:50 休憩
14:50-16:50 パネルディスカッション
       コーディネーター 山折哲雄(宗教学者)
       パネリスト    セルジュ・ラトゥーシュ
                月尾嘉男(東京大学名誉教授)
                仁連孝昭(アスクネイチャー・ジャパン理事長)
                大道良夫(アスクネイチャー・ジャパン副理事長)
16:50-17:00 閉会挨拶

 

*登壇者プロフィールなどの詳細はチラシをご覧ください。

 

主旨

 

口上

山折哲雄

いま、巷からは、あの昔懐かしいお祭りばやしの音がきこえてきます。円安、円安、株が高値をつけた、高値をつけた、の声、声、です。

こうなったら、もう誰も、あのマータイさんがせっかく運んでもってきてくれた「もったいない」を口にしなくなりました。寝ても覚めてもいっていたはずの、「足るを知る」の流行語を語らなくなりました。

もう一つ、遠いアルジェリアの砂漠で、油の獲得のために命を賭けた同胞が犠牲になっているというのに、オイル・ショック以来の危機的衝撃の記憶を忘れはじめているのではないでしょうか。

上り坂があれば、下り坂がある、という先人からのいましめを忘れているのでしょう。照る日もあれば、曇る日もある、という生活の知恵をどこかに置き忘れてしまっているのでしょう。それで、ワッショイ、ワッショイと、景気をつけようとばかりしている。おそらくそのあとは、美空ひばりさんがうたっているように「家を焼かれたおじさん」と「へそくりとられたおばさん」の運命が待っているだけであるのに、そのことに気がつかない、気がつかないふりをしている、そのように思えてならないのです。

こんないつに変わらぬ日本人の、その耳元に何としてでもおとどけしようと、われわれはこのたびフランスから清新、鋭利の経済学者、セルジュ・ラトゥーシュ氏をお招きし、「足るを知る日本の成長」と題してシンポジウムを開催することといたしました。

氏は「ポスト開発」と「脱成長」のキーワードを高く掲げて、「経済成長なき社会発展」の道とその有効な可能性を高らかに提唱し、西欧世界に衝撃を与えている時の人であります。日本人の社会と経済に関わる新たな戦略転換を求めて、対話をしてみようという企てであります。

 

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