子孫を残すタネの戦略。動けない実は、その環境とともにー。
動物と違い移動できない植物は、周囲の環境とうまく折り合いをつけ、タネ(実)独自の戦略を身につけて子孫を残してきました。さまざまなタネの戦略を体験から学び、植物が動物や自然環境と関わり合いながら共生していることを学ぶプログラムを実施しました。
自然に学ぼう!いきもの探検隊
「リスがかくし忘れたドングリのゆくえ」
日 時:2015年1月24日(土)14:00〜15:00
場 所:Gネットしが 研修室A(滋賀県近江八幡市)
対 象:小学生(1〜6年生)、教育関係者、保護者 16名
参加費:無料
主 催:アスクネイチャー・ジャパン
プログラム:
14:00-14:15 クイズ「かたちのナゾ」
14:15-14:35 工作実験「タネひこうき」
14:35-14:45 まとめ「いきもののつながり」
14:45-15:00 アンケート
クイズ「かたちのナゾ」
ふわふわ羽が生えたタネ、かたいカラに包まれたタネ、とげとげちょっと痛いタネ。まず、さまざまなタネのかたちを観察しました。
風に乗って時には何百メートルも飛ぶタネでは、ヘリコプターのプロペラのような羽を持つカエデやマツが知られています。池や沼などの水辺に生えるガマは、風まかせに大量にタネをまきます。
動物に運んでもらうタネもさまざま。トゲを持つオナモミは、動物の毛にくっついて遠くに移動します。リスやネズミ、カケスは、ドングリをすべてその場では食べず、冬に備えて巣などに隠す習性があります。ただ、穴を掘って埋めたもののうっかり忘れてしまうことも。そんなドングリが春に芽を出します。
植物がタネのかたちを工夫しながら周りの環境を上手に活かしているようすを学びました。
工作実験「タネひこうき」
カエデはタネに生えている”羽”のおかげで、くるくる回転しながら落下します。上昇気流に乗って空高く舞うこともあります。このふしぎなかたちを紙で工作し、飛ばす実験をしました。羽の大きさやタネの重さを工夫しながら、本物のタネの動きをつくり出しました。
まとめ「いきもののつながり」
地球は、太陽に近すぎず遠すぎず、いきものにとってちょうどよい環境(適温、大気、水など)がつくられています。他の惑星にはないたった一つの特別な環境です。
この地球でさまざまないきものがつながり合い、共に生きているということを最後にお話しました。植物のタネは、まわりの動物や環境に助けられながら育っています。その逆に、植物は食べ物となり動物を支えています。「食物連鎖」という視点から、さまざまないきものが関わり合い生態系をつくっていることを学びました。
アンケート
参加者の感想を抜粋してご紹介します。
【小学生】
- ・いろいろなたねなどがあっておもしろかったです。まつぼっくりにたねがあったとは知らなくて、びっくり!しました。
- ・たねがさわれてよかった。工さくがたのしかった。
- ・たねには色々な種類があると分かった
- ・アリが好きです。あんなに小さな体をしているのに、すごい工夫をして、生きている事がすごいと思います。
- ・ぜんぶ みんなでたすけあっているから(すごいと思う)
- ・リス ちゃんとどんぐりなどを土の中に入れておいてそれが木になっている所がすごい。
【教育関係者・保護者】
- ・大人も知らないことを、よく知っている子がいたのには驚いた。
- ・子どもたちも種の写真を撮ったり、本を真剣に見ていたり未来の生物学者が誕生するんじゃないかと楽しみになりました。
- ・実際に見る・さわる・ためすことが出来て子どもには興味を持ちやすく、とても良かった。
- ・周りで見つけたタネを子どもが集めている物があるので虫めがねで見てみようと思った。
- ・低学年(1年、2年)や幼稚園の時にこの様な話をどんどん学校でも導入されたら、自然のつながりが理解でき、勉強になると思います。
- ・マジックテープのようにとても身近なものが植物を真似て作られた、ということは発見をより深めてくれたと思います。
*この事業は平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」の助成を受けて実施しています