2012.09.28

滋賀シンポジウム「日本の自殺・日本の覚悟」


東北被災三県でのシンポジウム開催を経て、新しい日本の復興を目指すシンポジウムを開催しました。

主旨

 

このところ、この日本列島に住む人々は、自分のありのままの姿を眼前の鏡に映し出して見ることを怠っているのではないか、ふと、そう思うことがあります。わが振りが見えないから、他の世界のことがぼんやりとしか見えない。現在のこと未来のことが、鮮明な像を結ばない。

災害の予測情報に浮き足立っている。科学技術には不安のまなざしを向けっ放し。政治のよろよろ歩きにサジを投げ、人ごとのような罵声を浴びせている。経済の迷走にグチをいうだけで、おのれの足元には目を光らせない。

きこえてくるのは、内部から噴き出しはじめた自己崩壊の足音だけではありませんか。

教育の現場からは自立した声をあげる教師がなかなか育たない。あいかわらず、パン食い競争のような知識のつめこみがとまらない。それに追い打ちをかけるような、マス・メディアによる世間と世論への追随・・・

挙げていけばキリもありませんが、文明の崩壊はたんに環境の変動によっておこるだけではない、それはまさに、内部の劣化、身内の腐敗によって深刻の度を速めていくのだというではありませんか。われわれは今、その絶体絶命の岐路に立たされているのかもしれません。

さて、どうしたらよいのでしょうか。このような内部崩壊の危機をかいくぐって生き抜いていくために、どう褌をしめ直したらよいのか。そのための知恵と工夫をどのようにして結集し、組織化していったらいいのか。今となってはかなり困難な仕事になってしまいましたが、ともかくもそのような知恵と工夫は、われわれ自身の千年の歴史のなかから目を凝らして汲みあげる、そしてその長い道程の中で練りあげられてきたわれわれ自身の価値観と人間観の結晶を、全身でつかみ出すほかはないのではないかと思います。

つまり、今われわれがどっぷりつかっている文明の総点検をしてみるということでありますが、これはむろん簡単なことではないでしょう。面倒な力業を要する仕事であることはいうまでもありませんが、それをたんなる机上の空論に終わらせないためには、まずもってわれわれ自身の生活のあり方と欲望追求の姿勢を反省し、千年の奥深い歴史の中から、先人たちが遺した教訓を謙虚に学んでいく姿勢が大切であると考えます。そして何よりもそのことを真ごころこめて実行する覚悟が不可欠ではないかと思うのであります。重ねていえば、真ごころと覚悟であります。

このたびのシンポジウムのテーマを、われわれがあえて「日本の自殺・日本の覚悟」としたゆえんであります。

 

日 時:2012年6月30日(土)13:30-17:00
場 所:コラボしが21大会議室(滋賀県大津市)
登壇者:山折哲雄(宗教学者)、浜矩子(エコノミスト)、川勝平太(静岡県知事)
参加費:一般1,000円、学生500円、アスクネイチャー・ジャパン会員500円
定 員:200名
主 催:アスクネイチャー・ジャパン
共 催:滋賀経済団体連合会(滋賀県商工会議所連合会・滋賀県商工会連合会・
    滋賀県中小企業団体中央会・滋賀経済同友会・一般社団法人滋賀経済産業協会・
    社団法人びわこビジターズビューロー)
協 力:公益社団法人日本青年会議所近畿地区滋賀ブロック協議会

プログラム

13:30-13:40 開会挨拶 大道良夫(アスクネイチャー・ジャパン副理事長)

13:40-14:10 基調講演 山折哲雄(宗教学者)

14:10-14:30      浜 矩子(エコノミスト)

14:40-15:10      川勝平太(静岡県知事)

15:10-15:20 休憩

15:20-16:50 パネルディスカッション 山折哲雄、浜矩子、川勝平太

16:50-17:00 閉会挨拶 仁連孝昭(アスクネイチャー・ジャパン理事長)

*登壇者プロフィールなどの詳細はチラシをご覧ください。

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