2012.11.11

一周年の集い


滋賀県は、琵琶湖水系が育む豊かな環境に恵まれ、里山の風景が今も色鮮やかに残る地域です。自然環境に恵まれた滋賀から、自然に学ぶ新しい社会へのイノベーションを巻き起こすため、2011年10月アスクネイチャー・ジャパンを設立しました。

みなさまのご指導とご尽力のおかげで無事一周年を迎えることができました。この節目に、さらに活動を発展させていくため「一周年の集い」を開催しました。


日 時:
2012年11月3日 15:00-19:00
場 所:たねや日牟禮ヴィレッジ(滋賀県近江八幡市)
参加者:役員8名、スタッフ他4名
内 容:15:00-16:30 アスクネイチャー・ジャパンを考える
    16:30-17:30 松明祭り(主催:近江八幡商工会議所)
    17:30-19:00 交流会

1年間の活動報告を行った後、これからのアスクネイチャー・ジャパンの方向性やあり方について話し合いました。主な内容は以下の通りです。

1. 日本人の自然観について

石田アドバイザー)

・日本のアクティビティは欧米の受け売りではない。その「違い」を発信する必要がある。日本人の持っている自然観とテクノロジーは一致する。
・調査をしたところ、日本人は潜在意識として、自然に生かされ自然を生かすということを強く求めていることが分かった。ライフスタイルもテクノロジーも自然とつながっている。日本人は自信を持ってテクノロジーをつくっていいと確信している。

山折顧問)
・ 昨日テレビのフィギアスケート世界選手権で、浅田真央選手が出ていた。彼女は2位。1位のロシアの選手は確かに技術はすごかった。しかし、真央選手の踊りは、欧米の選手とは何か違う、素晴らしいものがあった。
・ 欧米の選手は共通して、体の動きが究極的なものに修練している。小鳥、シカ、ヒョウ。身体運動のモデルは動物であり、それ以上ではない。一方、真央選手は、人間として、生きものとして上質のスケーティングをしていると思わせるところがある。
・私が思うに、彼女の身体運動には、小鳥そのものではなく、小鳥のささやき、小川の流れ、風のそよぎ、そういう動物を包んでいる香りがある。人類の未来を指し示す、高貴な身体運動だと思う。
・「アスクネイチャー」を日本語にするとどうなるだろう? 「ネイチャー」の中身は何だろう? 私自身も分からない。植物界動物界を包んでいる風の香り、せせらぎの音、小鳥のさえずり、そこに学ぶということの方が品があっていいなと思う。そういうものが果たしてテクノロジーの世界にどういうかたちで吸収できるのか。できたらすごいと思う。できそうもないとも思う。

石田アドバイザー)
・それをテクノロジーでやらなくてはいけないと思う。テクノロジーは無機質なものだが、それが生活の中で生かされて初めて周辺にあるものを変えていける。テクノロジーがとても素敵なライフスタイルを創出するのであれば。我慢するのではなくて関与することで嬉しくなってしまうテクノロジーを求めたい。

2. 行き詰まりを迎えた「システム」を変える「トリガー」は何か
・既存の技術の効率化や省エネ・省資源化を目指すのではなく、全く新しいシステムを生み出す「イノベーション」を自然に学ぶ視点から考え実践したい
・新しいライフスタイルをつくるテクノロジー創出のため、ニーズとシーズをマッチングするしくみが必要


3. 滋賀県で具体的な製品開発をする
・自然に学んだ技術の実用化を滋賀で行いたい
・平成24年度に新学術領域としてスタートした「生物規範工学」を実社会につなげていきたい
・自然に学ぶという視点から日本の産業の危機を乗り越えて行けるのではないか


4. 人材育成
・未来を担うこどもや若者を中心に、アスクネイチャーという自然観を身につける機会をつくりたい
・活動内容が充実してきたので、効果的な発信を検討していきたい


以上

これらを骨子に2年目以降もさらに活動を発展させていきます。

みなさま、今後ともよろしくお願いします。

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