2016.04.26

【報告】BID(BIO INSPIRED DESIGN)戦略研究会の提言


アスクネイチャー・ジャパン連携団体の滋賀経済同友会では、2011年から研究会を設置し、バイオミメティクスやバイオミミクリー、ネイチャー・テクノロジーなどの研究を重ねてきました。

 

2015年度に実施した「BID(BIO INSPIRED DESIGN)戦略研究会」が、1年間の研究の集大成として、提言をまとめましたのでご紹介します。

 

提言「イノベーション滋賀」

 

消費社会の発展に支えられた経済成長はサプライサイドとデマンドサイドの 両面から限界にぶち当たっている。資源問題、環境問題、エネルギー問題、格差 社会、伝統的文化の形骸化と文化の多様性の喪失、人間性の破壊、金融バブルの 暴走などにそれが表れている。現在は、20 世紀の世界を牽引した経済成長モデ ルが通用しなくなり、それに代わる新しい社会モデルを模索している時代であ る。かといって、新しい社会モデルがはっきりした形にはなっていない。持続可 能な社会が唱われるようになったが、その具体的な姿はまだ不分明である。

新しい社会モデルを見出し、それを共有し、その実現のために努力することが 求められている。そのひとつのヒントになるものは、38 億年かけて進化し発展 してきた生命世界である。生命世界の持続性の秘密を学び、それを私たちの社会 に応用することが改めて重要な課題となっている。
生命社会を形づくっている仕組み、それぞれの生命が獲得してきた知恵、それ らを継承し進化させていく仕組みから、私たちは新しい社会のモデルを学びと り実践することが求められている。

生物が多様な生命間の情報と物質のやり取りを通じて、互いに共進化し、生態 系のレジリエンシーを獲得してきたように、場の課題、場のコンテキストを共有 しながら、場に関わる多様なステイクホルダーが協働して、課題の創造的な解決 にあたることが重要である。とりわけ、私たちはこれまで経験したことのない人 口減少局面に入り、地域社会は従来のままの経済や公共サービスで維持できな くなることは明らかであり、新しいモデルを実践的に創造することが求められ ている。狭い利害に囚われず、従来の垣根を越え、ひとつの場を共有する、創造 的に社会の課題に正面から取り組むネットワーク型イノベーション(イノベー ション滋賀)を提案する。

 

提言の全文・詳細は、こちらからご覧ください。

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