2012.09.25

「Solar Plants ホウセンカ」完成!


滋賀県近江八幡市の鉄工所、電気工事会社、立命館大学高倉秀行教授らを中心として結成された製作チームによって、第1号の自然に学ぶ太陽光発電装置「Solar Plants ホウセンカ」が完成しました。


植物に学ぶ

植物は葉の生え方にはヒミツがあります。太陽の光をすべての葉で効率よく受けとめ、光合成して成長するため、成長の過程でなるべく上の葉は下の葉に重ならないように、角度を調節して生えてきます。その配列を葉序といいます。 ホウセンカは3/8葉序で、葉が茎の周りをらせん状に3周したとき、8枚目の葉が0枚目の葉に重なるように生えます。植物によって様々な葉序(1/2、1/3、2/5、3/8、5/13)があり、 それはフィボナッチ数列と呼ばれる数学の法則にのっとっています。

   

一本の木で一家庭分の電力を発電する

Solar Plantsホウセンカは、集光型太陽光パネルを3/8葉序で配列し、その効率的な発電によって、花と実を光らせます。今はまだ一本の茎ですが、これが枝分かれして垂直・水平方向に成長させ、より多くの太陽光を受けとめられるように発展させる予定です。 目標は、ツリー一本で一家庭分の電力を発電すること。「太陽光パネルは屋根に載せる」という定式を破り、ソーラープランツを庭に一本植えて得られる “ほどよい” 電力で生活できる社会を志向します。
ソーラープランツ

昆虫に学ぶ 
太陽光吸収層になるシリコンを球状にして六角形の反射鏡に収め敷き詰めた「集光型球状太陽電池」を採用しています。性能向上と原材料削減の両立を追求した結果、昆虫の複眼に共通する構造になりました。 複眼とは、それぞれにレンズを持つ個眼が蜂の巣のように並び集合した器官。例えばトンボの場合、その数は2万個前後といわれます。各個眼が光を収束させ、光受容体がつくる光感受部位に届けるため、視界は360度に達し、感度が高く、獲物や捕獲者の細かい動きを見分けられます。 →複眼とは…


写真:前園泰徳



「Solar Plants ホウセンカ」製作チーム
集光型太陽光パネル開発・技術監修:高倉 秀行(立命館大学理工学部教授)+株式会社クリーンベンチャー21
LED照明・制御基板:株式会社エーシック
本体製作:川崎 清(川梅鉄工所)
電気配線工事:西川 雅啓(西川電工株式会社)
デザイン:小清水 園恵(花園設計事務所)
企画:近江八幡商工会議所・アスクネイチャー・ジャパン

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